王様とうさぎさん
「ともかく、頼んだわよ」
と言い、清香は消えてしまう。

 なんなんだ……と思いながら、莉王は荷物を置きに、部屋へと戻る。

 ご先祖様がたに手を合わせていると、允が入ってきた。

「どうかしたのか?」

 いや、どうかしたのかじゃないですよ。

 どうかしっ放しですよ、と思いながらも、

「なんでもないです」
と言うと、

「また敬語に戻ってるが」
と言ってくる。

「貴方と距離を置きたい気持ちの現れです」
と言うと、允は淋しそうな顔をしていた。

 いや、あの……
 そういう顔もやめてください。

 好きかどうかはわからないが、貴方にそういう顔をされるのは厭だから。

 そこで気づく。
 允の膝をはたいた。

「いや、そうだっ。
 どうかしましたっ。

 允さん、さっき、聞いてなかったですよねっ。

 殺人事件ですっ」

 允は、なんだ、唐突に、という顔をする。
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