王様とうさぎさん
 そ、そうなんだ。

 それであそこだとよく眠れたのかと気づいた。

 あとで、ご位牌に手を合わせておこうと思う。

「ん?
 守ってくれる人が居ると出られないってことは、 貴女、私を呪ってるわけです
よね」

「呪ってるとは言わないけど、好きじゃないわよ。

 なにチャラチャラしてんのよと思って」

 でも、気が変わったわ、と清香は言い出す。

「貴女、私の目の前で幸せになってみせてよ」

「え」

「なんか今のままじゃ私、成仏もできないし、生まれ変わるとかできないわ。

 また生まれ変わっても、ロクなことなさそうで。

 少しはこの世にいいことあるって、私に証明して見せてよ」

「ええーっ」

 莉王はそこで、声を抑えて言った。

「あ、あの、私、まだ、允さんと結婚するかどうかさえ、決めかねてるんですが」

「なに言ってんのよ。
 あんなことまでしておいて」

「だから、ずっと見てるの、やめてくださいって……」
と莉王は力なく言う。
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