王様とうさぎさん
「清香さあ、明らかに二股かけてたんだよね。

 違うか。
 誰か男が居たのに、僕の誘いにも乗った。

 もしかしたら、その男に嫉妬させたくて、僕と付き合ってたのかも。

 ん?

 僕のせいで殺されたとか?」

 言っておいて、いやあ、ないよね、と自分で否定する。

「どう見ても、僕には、本気じゃなかったもん。

 僕は本気だったけどね。

 彼女が家でうまく行ってないせいで、そんな風になってるの知ってたから。

 結婚して家を出ようって、高校生の彼女に言ったくらいにはさ。

 まだ、自分の稼ぎもまともになかったのにね」
と笑う。

「でも、結局、彼女は死んだ。

 なんの力にもなれなかったんだなあって思ったよ。

 最後は允に相談してたのも知ってたしね。

 なんで、僕じゃなくて、允にって思ったよ」
と忍は少し遠くを見つめる。
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