王様とうさぎさん
「第三者だったから、相談できたんだと思いますよ。

 それでも、結局、允さんにも詳しい話はしなかったみたいですけど。

 本当に、他人に頼れない人だったんですね」

 その清香が、幸せになる姿を見せてみろと言って来ている。

 少しは頼ってくれているのだろうかな、と思った。

 生前はなにも接点のなかった自分に。

「第三者だったから、か」
と呟いた忍はすぐに否定する。

「いや、違うと思うよ。
 允だったからだよ。

 清香は面食いだから」

 えーと……。

「あー、でも、清香さんがイケメン好きなら、犯人絞れませんか?」

「なんで?」

「清香さん、遠くの学校に行ってたわけじゃないんですよね?

 そんなに犯人に該当しそうな人、居ないんじゃないですか?

 おじさんが好きとか入ってきたら、ちょっと人数増えて、混乱しますけど」

「ひどいなあ、王様。

 それって、あんな田舎に若いイケメン、そうそう居ないだろって言ってるわけ?」
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