王様とうさぎさん
「いえ。
 原因がなんだったとしても、殺人はよくないですよ」

「でも私、殺されるのわかってた気がするの」

 たぶん、わかってて飲んだの、と言う。

「っていうか、そこで殺さないのなら、本当に私に愛着ないんだなって思ってたから」

 いや、あの、おかしいですから、その発想。

 清香は溜息をつき、言う。

「生まれ変わったら、今度はきちんとやるわ」

 なにを?
 どのように?

「ねえ、あんたたちの子どもに生まれて来てもいい?」

「えっ」

「……冗談よ」

 ははは、と苦笑いして誤摩化した。

「あのね、私、こういう問題は起こしたけど。

 普段はおとなしくて、いい子だったのよ」

 自分で言う奴に、大抵、ロクな人間は居ませんが、と思って聞いていたが。

 まあ、清香のことは嫌いではない。

 このところ、ずっと彼女の足跡を追ってきたがゆえの親しみというのもあるが。
< 432 / 508 >

この作品をシェア

pagetop