王様とうさぎさん
「あんたたちの結婚式、見届けたら、成仏するわ」

 するわって言ってできるものなのだろうか。

 それに、ってことは、まだ、しばらく居るんだな、と思う。

「いい。
 私を成仏させるためにも、允さんと結婚するのよ」

「は……はいっ」

 清香の迫力に負けて頷く。

「……少しは私も申し訳なかったと思ってるのよ」

 そうぼそりともらした。

 自分の八つ当たりにより、長年、允を苦しめたことだろうか。

 だから、今、允には幸せになって欲しいようだった。

 それによって、圧迫されるかもしれない私の幸せは?
と思ったのだが、なんだか逆らえない。

「あと、あんた、指輪、ちゃんとつけなさいよ。

 婚約してるのに、つけてないなんて、なんか物欲しそうじゃないの」

「……偏見ですよね、それ」

「私も欲しかったわ」

 そんな風に言われると、貰っておいてつけない自分が人非人のように思えて、慌ててつけた。

 允が笑い、後ろを向いて、見えない清香に、ありがとう、と言った。
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