王様とうさぎさん
 



 由莉子が手配してくれた衣装屋にまず最初に行った。

 衣装屋は、由莉子に言われていたらしく、今風のものを薦めてきたのだが、莉王は、及川たちのことを考え、極普通の白無垢と鬘にした。

 鬘も、
「最近の子は頭ちっさいわねえ」
と言いながらも、うまく調節してくれたようだった。

「あとは、指輪とドレスか」

 店から少し離れた場所にある駐車場に向かって歩きながら、允が呟く。

 教会は忍の店に来る牧師さんのところが空いていると夕べ、連絡があったので。

 見てはいないが、もうそこに決めるつもりだった。

「先にお前の家に挨拶に行くか」
と允が腕時計を見る。

 結構忙しかったな、と今になって、莉王は思った。

 由莉子の言う通り、呑気にお手伝いをしている暇はなかった。

 普通のカップルが何ヶ月もかけて準備するのを一日、二日で済まそうというのだから、まあ、こうなるか、と思う。

 教会で式を挙げることは、由莉子たちも知っている。

 まあ、若い者だけで、ということで、誰も身内は参加しないが。
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