王様とうさぎさん
 今まで口に出したこともなかった嫁の不満に今、気づいたからだろう。

「言えばよかっただろうが」
と太郎は今更ながらに言っていた。

「だって、お義母さんたちに嫌われたくなかったんだもの。

 莉王ちゃん、私はなにもこだわりはないから、好きにして。

 っていうか、どっちかって言うと、今風なのが好きだから」

 でも、及川さんたちには、スタンダードな方が受けそうだな、と思っていた。

 いや、別に爺さんたちの受けを一番に考えなくてもいいのだが。

「そのあとは二人でデートでもしてきなさいよ。

 今日は食事も外でしてきていいわよ。

 私たちもたまには二人で質素に食べるから」

 いや、質素にって……。

 でもまあ、ゆっくりしたいのも本音かな、と思う。

 嫁がずっと泊まっていたら、私だって、気を使うだろうから。

「わかりました。
 お土産買ってきますね」
と莉王は微笑んだ。

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