王様とうさぎさん
「パステルカラーで、すごくたくさんの色が混ざっててよく見えないんですよ。

 卓なら、もうちょっとよく見えるかも」

 ……どうやら、忍の言う通りのようだった。

 允のオーラは見えなくてもわかる気がする。

 きっと木や森の色に近い。

 落ち着いて静かなオーラだ。

 側に居ると、森林浴をしているみたいに気持ちが安らぐ。

 まあ、口を開くと、結構ロクでもないことを言い出すのだが。

 置いてある結婚情報誌を必死に読んだりして、
「今更」
と忍たちに笑われている間に、允が城ヶ崎と一緒にやってきた。

「あ、允さん」
と顔を上げ、

「大丈夫でしたか?」
と思わず問うと、忍と城ヶ崎の母がまた笑う。

「なんの話?」
と母親に訊いた城ヶ崎に彼女は、

「ほら、ご覧なさい。
 あんたの行動が不審だから、お嬢さんに余計な心配をかけて。

 すみません、もう~。
 誰か、いい人、紹介してやってたぐさい」
とこちらを向いて言う。
< 467 / 508 >

この作品をシェア

pagetop