王様とうさぎさん



 忍と別れたあと、ドレスと結婚指輪を決めに行った。

 ドレスは城ヶ崎の母が紹介してくれた店で、すぐに決まった。

 特に衣装替えもないからだ。

 指輪は、内側に青い石の入ったのにしたのだが、允は見えもしない場所に石を埋め込むことに意味があるのかと言いたげだった。

 男にはわかるまい。

 だが、それを言うなら、指輪の内側にイニシャルをつけるのも意味がない気がするのだが。

 サイズの細かい調整もイニシャルの刻印も後にしてもらうことにして、とりあえず、すぐにもらえるのを選んだ。

 帰り道、車の中で莉王は呟く。

「あの、買っておいてなんなんですが、指輪はつけないかもしれません」
と言うと、

「なんでだ」
と言う。

「だって、指輪ずっとしてると、腰が痛くなるっていうじゃないですか」

「……じゃあ、俺もつけない」

「い、いいですよ」
と言ったものの、ちょっと厭だった。

 すると、允は運転しながら横目で見、
「今、厭だと思っただろう」
と言う。
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