王様とうさぎさん
アパートの台所に莉王は座り込んでいた。
膝を抱えていると、横で允が言う。
「いつかまた会えるかもしれないだろ。
仏教では、魂は輪廻転生するんだ」
「そうなんでしょうけど。
やっぱり、自分の知っている人が知らない誰かになってしまうのは寂しいです」
「今日は此処で食べるか」
と允は言った。
霊が見えることはいいような悪いような。
いつまでもその姿が見えるから。
だからといって、その間に、心構えとかができるわけでもなく、現れ方、消え方によっては、二度寂しい。
允がコンビニでなにか買ってくると言い出した。
「私も行く」
と立ち上がる。
此処でひとりで落ち込んでいるのも厭だし、允ひとりに買いに行かせるのも悪い気がしたからだ。
靴を履いている允の背中がなんだか仏様のようにありがたいものに思えてくる。
「今日……允さんが居てくれてよかった」
とその肩に後ろからすがった。