王様とうさぎさん

 ちょっと可愛いミニの白いウェディングドレス。

 おろしたままの茶髪の巻き毛。

 そして、手にはナイフがあった。

「私と一緒に死んでっ」

 そう叫びながら、女はこちらに向かい、突進してくる。

 ええっ!?
 なんでっ!?
と思ったが、女は莉王たちを無視し、城ヶ崎に向かってナイフを突き出した。

「莉王っ」
と城ヶ崎の側から退けるように、允が莉王を突き飛ばす。

 よろけた莉王は、木製のベンチに座り込んだ。

 莉王はそこに居た忍の上に乗っていた。

「王様、重いっ」

 かさばるウェディングドレスに顔などを圧迫されて、忍がうめく。

 城ヶ崎は、女の腕を掴んでいた。

 允が女の手からナイフを落とそうとするが、振り回すので、うまくいかない。

「王様、危ないから、避けて」

「莉王っ、こっちにっ」

 忍と潮に引っ張られたが、莉王はドレスの裾を掴んで、立ち上がる。
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