キミがこの手を取ってくれるなら
「こやま そういちです。」
うちのおとうさんとも違う、今までの幼稚園のお友達とも違う、かわいい、というよりもキレイな顔。
「なおこちゃん?よろしくね!」
隣に立つおかあさんに似た、ふんわりとした優しそうな笑顔。声。
その瞬間、世界が全て止まったように感じて…
家に帰って来てからも、ぼんやりとしていた私に気づいたおかあさんが、「なおこは、そういちくんのことが気に入っちゃったのね。」とからかうように言われ、生まれてはじめて恋心というものを自覚した。
私は「こやまそういち」くんに一目惚れをした。
そして、私の長い長い片想いの物語が、幕を開けたのだ。