だから君を失った。
僕たちは一年前から『彼氏彼女』である以上に、『ヴァンパイアと捧血者』の関係でもあった。


僕は定期的に、彼女の血を貪り続けていた。


でも、ここ1ヶ月前くらい前から彼女の貧血が酷くなって来たので、ここ一週間は我慢していた。


飢えに飢えていた僕。


一週間ぶりに飲む彼女の血に、興奮が治(おさ)まらなかった。


抵抗してないとは言え、彼女が涙を流して無言で耐えているのに、止められなくて―…


腹を満たしたときには―…、彼女は僕の腕の中で、ぐったりとして動かくなっていた。


全身 色白になった彼女の肌。
血まみれの右肩。
彼女の白いレースの服も、紅に染まって行く。


僕は まるで、可憐な人形を両手に抱えてるかのようだった。


後日、部屋で血まみれで倒れているのを彼女の家族が発見し、通報。

警察が殺人事件として、捜査をはじめた。


死亡推定時刻は、僕と二人きりで部屋にいたことを知っていた彼女の家族の証言のもと、すぐに僕の元に警察がやって来て、僕は逮捕された。
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