ふりむいてよキャプテン
「ありがとうございましたっ!!」


どのくらいの時間そうしていたか分からないけど、すっかり日が沈みきった頃。

飛びついてラスト100球目をしっかりとグローブに捕球したにっしーは、立ち上がって先生に深く頭を下げた。


「......よし」


高田先生は一言だけつぶやくと、私にノック用のバットを渡してグラウンドを離れた。



いったん部室にバットをしまってから、グラウンドに戻るとすでにフェンスは片付けられている。

散らばっているボールを大体集めたヒロくんは、しゃがみこんでいるにっしーの肩を叩いてから、それから私の目を見た。


「おつかれ、あとよろしく」


私にそう声をかけると、ヒロくんは何も言わずに部室に戻っていく。
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