【完】幸せをくれたあなたに。
「おい、お前ら。明日から文化祭の準備で忙しくなるぞ」
そんな担任の声が聞こえたSHR。
そして今日も残らされる。
それに、松井くんと2人っきり。
「はあ……」
なんだか最近ため息ばっかりな気がする。
なんてことを考えていると、
「こーとっ!!」
「わっ!」
背後から私を呼ぶ藍那は、私の背中を叩いてやってきた。
「え、そんなびっくりした?」
「いや……。それより、どうかした?」
「あー……、今日も残りなんでしょ?」
「うん。まあね」
「あの、私も手伝うよ?」
そう言ってくれる藍那だけれど、委員でもない藍那を手伝わせるのはなあ……。
「気持ちは嬉しいけど……」
と、そこまで言われて断られると接したのか、藍那は慌てたような、恥ずかしそうに