【完】幸せをくれたあなたに。
「ふあー……」
いつもと変わらぬ朝が来て、そして今日もまたその朝。
学校に着くなり、藍那と松井くんがいないか確認する。
昨日いきなり帰っちゃったし、変に思うよね。
キョロキョロと見渡しながら、教室までやってきた。
でも、2人の姿はなかった。
鞄を置こうとすると、ふと、目に入ったのは藍那の鞄。
もう来てたんだ……。
でも、チラリと見れば松井くんの鞄も置いてあるのに目が入った。
なーんだ。
2人とも来てるんだ。
もう、2人を見るのが辛い……。
あーあ。
私、なんで人を信じてるんだろ。
なんで誰かのことを好きとかまた思ってるんだろ。
私って単純?
そんな自分が嫌いだ。