【完】幸せをくれたあなたに。
「あ、三浦さん」
予鈴がなり、教室に入ってきた松井くんは、私を見つけるなり、私を呼んだ。
正直昨日のことがあって、少し気まずい。
とりあえず視線だけ、松井くんへと送ると、
「これ、昨日与沢さんと一緒にまとめておいたんだ」
「……え?」
松井くんの手元を見ると、昨日話し合うはずだった文化祭の資料だった。
「昨日三浦さん、突然帰っちゃうし。そしたら与沢さんが2人で終わらせてあげようって」
……藍那が?
私が後ろを振り向くと藍那が「にへっ」とピースしているのが見えた。
「藍那……」
「ほんと、突然帰っちゃうしびっくりしたよ」
藍那は心配そうな顔をして、私に言う。
「2人とも、昨日は帰っちゃってごめんね」
「ううん。大丈夫だよ」
と、藍那は言った。
そして松井くんは