この恋、きみ色に染めたなら
そして放課後ー…
授業なんて全然身が入らない状態で、あっという間に迎えてしまった放課後。
『紗希、今日も美術室、だよね?』
凪の言葉に私は首を縦に振り、返事をする。
『凪……。
……私さ……』
“本当にこのまま美術室に行ってもいいのかな”
…そう、問いかけたかった。
凪にはまだきちんと言えていないのに、それでも自分の迷いは問いかけたい…なんて、自己中だよね、私ー…
何も言えず黙る私。
でも更に口を開けない状況に陥る…。
『成田先輩!
またこのクラスに用事ですか!?』
誰の声か分からない、でもその言葉に私も凪も教室の出入り口に目を向けた。
そこには案の定、先輩がこちらを見ていて…
視線が合ったー…