君の名は


家に着くと、鍵を開けて真っ暗な部屋に電気をつける。日が暮れた直後に帰ったら、まだ太陽のぬくもりが感じられるからあんまり寂しいとは思わない。


一応、僕には父親も母親もいる。でも一人暮らしのようなもんだ。父親は外に愛人を作ってほとんど帰ってはこないし、母親だってこないだ若い男といるところを見つけてしまった。

2人が一緒にいる理由なんて世間体だけだろう。僕が成人したら離婚するのなんて目に見えてる。





家族の温かみなんて、もう、忘れた。

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