キミのとなり



飛雅Side



昼飯を食べ終え、屋上に向かう途中、
俺は見たくないものを看てしまった。




中庭で亜嵐と夢希が仲良さそうに
話している。それだけだったら俺もまだ
見ていられた。だが次に見た時には
亜嵐と夢希は抱き合っていた。




「やっぱり夢希にとって俺はただの
幼馴染みでしかないんだよな…。はぁ、
何考えてんだろ俺。」




俺はもう何も考えたくなくなり、
そして誰とも会いたくなかった。
そう思うと自然と足が屋上の方へ
向かっていた。




屋上へつきドアをあけると、そこには
今一番会いたくなかった人、そう
夢希がいた。




「あ…。飛雅も風にあたりに来たの?」



夢希は一瞬、なんで来たの?みたいな
顔をした気がした。だがすぐいつもの
夢希に戻っていた。



「おう。そういえばお前亜嵐と
一緒じゃなかった??」




俺はいう予定も無かった事を
夢希にいっていた。案の定、夢希は
え、なんで知ってるの?という
顔をしたが、何も聞かずに、



「うん。コーチに呼ばれちゃって、
それであたしだけ屋上に来たの。」




なんかきまづい雰囲気になってしまい
空気を変えようと俺は、




「あんまり屋上で日に当たってっと
ガングロなるぞ?シミ増えるぞ?」




と、夢希をからかってみた。




「うるさいなー。ガングロには
言われたくないね。それに別に
日焼けしに来てるわけじゃないし!」



と、いつもの夢希に戻っていた。




「そうそう!お前はそれぐらい
うるさいのがちょーどいい(笑)」




「うるさくて悪かったね。べーだ。」




そう言って夢希は舌を出して笑った。
その笑顔が愛おしくて、幸せで
このまま時が止まってオレのものに
なればいいのにって思った。




「俺の隣で笑ってろよ…。」




「え?なんかいった?」




心の声が声にでてたみたいで
おれは焦ったけど夢希には
ちゃんと聞こえてなかったみたいだ。




亜嵐、お前はズルイな。





< 24 / 35 >

この作品をシェア

pagetop