天国から君へ〜大好き〜
そんな。
言葉を失う私。
記憶が消えるなんて。
そんなの、意味ないよ。
私は、私のままで会いたい。
ライ、に・・・。
「他に・・・。他に方法はないんですか?」
モランボンさんにすがりつく。
それぐらい、必死だった。
ライに会いたくて。
私のままで、会いたくて。
あんな形で終わったままなんて、絶対嫌だから。
「・・・一つだけ、あります。」
「あるんですかっ?!教えて下さい、お願いします!!」
「不可能に近いですが、あります。」
モランボンさんが、私の目を真っ直ぐ見つめてくる。
「天国宝くじに当選すれば、地上界に行くことはできます。」
天国宝くじ。
初めてきいたその言葉は、私の胸を高鳴らせた。
「天国宝くじは、地上の宝くじのように、お金がもらえるものではありません。」
「じゃあ、何が?」
「それは、地上界行きの切符です。」
「それがあれば、地上界に行けるんですか?」
「ええ、そうです。・・・しかし、先ほどもうしあげましーーーー・・・。」
「私、応募します!!」
モランボンさんの話を聞き終わる前に、私は叫んでいた。
ちょっとでも可能性があるのなら。
私は、それにかけたい。
私は、地上界に行きたいんだ。
「・・・わかりました。では、手続きを行いましょう。」
モランボンさんが、静かにそう告げたとき。
私はまだ知らなかった。
地上界に行くまでに、どれほどの時間がかかるのか。
ライに会えるまでに、どれほどの時間がかかるのか。
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