天国から君へ〜大好き〜
キミの涙

天国にやってきてから、約三年。
私に、奇跡が起きた。
「あ、あ、あ、あたったああああああ!?」
今朝、いつもどーりにポストをのぞくと。
なんと、『天界宝くじ』からの手紙が!!!
あわてて封を切ったら、ちっちゃな紙に、こう書いてあったの。
『この度、厳選なるくじ引きの結果、瑠音様が当選されましたことをご報告いたします。
同封した地上界行きのチケットをご利用下さいませ。』
って。
私、もう、パニック!!
隣に住んでるサクラさんに、一目散に報告しに行った。
サクラさんは、天国での心友。
歳は離れてるけど、出会った時から意気投合。
めちゃくちゃ仲良しで、過去のこととかも打ち明けた。
だから、私が当選したことを伝えたとき、めちゃくちゃ喜んでくれた。
「よかった、ね・・・。う、う・・・・。」
って、私より泣いてたもんね。
つられて私も大泣きしたけど。
だって、ライに会えるんだもん。
三年間、待ってて良かった。
あきらめなくて、よかった。
心から、そう思った。
でも、感傷に浸ってるまもなく。
私はそっこーで、『白雲空港』へ向かった。
『白雲空港』は、毎日のように死んでしまった人がやってくる場所。
あとから聞いた話だけど、私みたいに完全に記憶を取り戻している人はだいぶ珍しいんだって。
サクラさんも、ぼんやりとしかおぼえてないって言ってたな。
でも、私が旅立つ前に、ささやいてきた。
「私、結婚式の前に亡くなったらしいの。あんまり、実感ないんだけどね・・・。」
って悲しそうに笑って。
それを聞いたとき、ほんとに胸が苦しかった。
そんなの、つらすぎるから。
幸せになるはずだったのに。
大好きな人の、腕の中にいられたはずなのに。
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