腹黒王子様とお見合いした結果


「ここ、学校ですよ」


「学校じゃなければいいのかよ」


「よ、よくないです!」



必死の抵抗で舌打ちされながらもやっと私から離れてくれた。



しゅっとカーテンを開けると、そこには昌ちゃんと宝生君の姿が…


やばい!見られた!?


「あ、あのですね。これはえーっと」


「あ、大丈夫大丈夫!先生ならまだ職員室だから」


二人があたふたしながら私たちを見ている。


「誰だ?」


肘をつつかれ紹介をせがまれてしまった。
二人にクラスメイトだと伝えると、陸人さんは急に笑顔になった。


「はじめまして、蓮見陸人と申します」


さすがは腹黒王子!ここでは営業並みの極上スマイルだ。


二人ははっとしてそれぞれ自己紹介をし、
終わったところで先生が現れた。



「きちんと食事と睡眠をとらせてくださいね」


噂だともうすぐ30の先生。独身だからか、
陸人さんにすごくときめいているが
見ていても分かる。

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