今夜、上司と恋します


向かう先はいつも行くホテル。



ホテルに到着した私と佐久間さん。
部屋に二人きりになった瞬間に、佐久間さんは私を壁際に追いやると唇を奪う。


息もつく間もなく、次のキスが降って来る。



「……蛍」

「……っ」



佐久間さんは熱の帯びた瞳で低い声を出すと、甘く私の名前を漏らす。
それは私の脳内を刺激する。



「さ、くまさん」



佐久間さんの唇は私の唇から頬、耳に移り、段々と下りて行く。
鎖骨へと唇を這わすと、ちゅっと吸い上げた。



「っ」

「……どうして欲しい」

「もっと、佐久間さんでいっぱいにして下さい」

「……」

「もっと、……名前で呼んで下さい」

「……蛍」



そう、ぽつりと零す。

ケイ、なんて名前。
可愛くなくて嫌いだった。


美沙都みたいな、女の子の名前に憧れた。



だけど、佐久間さんにそう呼ばれると私はこの名前が好きになれそうだ。

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