今夜、上司と恋します


「よし。後は少し煮込むだけだ。余った材料、冷蔵庫に入れておくぞ」

「うん、わかった」



食材を冷蔵庫に仕舞うと、広瀬はやっと私の側に座った。
広瀬も朝からずっと催事で動き回ってた筈なのに。



「広瀬」

「ん?」



胡坐を掻いてる広瀬は、私の呼び掛けに首を傾げた。



「ありがと。疲れてるのに」


そう伝えると、広瀬は目を見張った。
だけど、すぐにははって微笑むと口を開く。



「バーカ。俺は丈夫に出来てるの。
それに好きでやってるんだからいいんだよ」

「うん」

「顔色は悪くなさそうで安心したよ」

「本当?」

「まあ、……元気はなさそうだけど」

「……」



広瀬は私の頭に手を伸ばすと、優しく触れて滑らせた。
大きな手が温かい。



「話聞くよ?」

「……」

「溜め込まずに吐き出せって。それお前の悪いクセ」

「……仕事に関しては私の、完璧ミスだったし」

「うん」

「だから、それに関して反省する事はあっても不満はないんだ」

「うん」



私は今日あった出来事を、ぽつりぽつりと話し出す。
広瀬は私の頭を撫でながら相槌を打つ。
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