今夜、上司と恋します


拍子抜けだ。

何か期待とかはしてなかった。


だけど、一言。
体調平気かぐらいの言葉をくれると思ってたのに。


それは私の勝手な願望だって事に気付いて、居た堪れない気持ちになる。


佐久間さんにとったら、私はどうでもいいって事にやっと気付いた。


モヤモヤと色々考えていた時間。
佐久間さんは私を思い出す事なんてなかったんだ。


うわー。もう、痛い。自分が痛くて仕方ない。
穴があったら入りたい。


年齢を重ねてからの勘違い程、みっともないモノはない。
本当に私は、都合の良い女に“成り下がって”いたんだ。



「めっちゃムカつく」

「は?」


顔を俯かせていた私の元に届いたのはそんな声。
吃驚して広瀬を見ると、広瀬は佐久間さんの事を見ながら握り拳を作っていた。

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