今夜、上司と恋します
「でもさ。やっぱ気になるのは、私その課長さんだよ」
「え」
美沙都は思案顔で腕を組む。
さっきの私の話で不思議に思ったとこがあるらしい。
「だって、本当に永戸と付き合ったのなら、だよ?
絶対に蛍に会いに来ないと思うよ」
「……」
「蛍の話を聞いてるとさ、その課長さんは好きな相手の事を凄く大事に想ってたじゃん?」
「うん」
「なのに、セフレの蛍には絶対会いたくないと思うよ。
心配かけると思うから。しかも、外回り一緒に行ったりして色々永戸に言われたんでしょ?
なら尚更だと思うけど」
美沙都が既に永戸呼ばわりしてるのが少しだけ気になるけど。
でも、確かにそう言われたらそんな様な気がして来る。
「ねえ、蛍。告白してみたら?」
「え?」
「蛍は迷惑かけたくないとか、思ってるみたいだけど…私はそう思わないよ」
「何で」
「迷惑掛けて壊れる関係なら、今じゃなくてもいつかは壊れるよ。
セフレだって、それは永戸にとったら付き合う前の話でしょ?
課長さんの自由なのに、それについて口出しするのはおかしい」
「でも、それって気持ちの問題じゃない?」
「てかね。寧ろ、私は困らせたっていいと思うんだけど」
「え。何を…!?」
美沙都の発言に、私は吃驚した声を出す。
人差し指を顎につけながら、美沙都は「う~ん」と言って首を捻った。