今夜、上司と恋します
全て話し終った後の美沙都の第一声は
「あーあ、やっぱ好きになっちゃったか」
だった。
少しだけ俯きながら、美沙都は続けた。
「実はね。私、気付いてたんだ」
「気付いてた?」
「うん。蛍から話を聞いた時に思ってた」
「そんな前から?」
「だって、蛍…その課長さんの事話す時めっちゃ嬉しそうだったんだよ。
気付いてなかったと思うけど」
「嘘」
「大マジ。でもさ、セフレだしさ、気付かないならそっちの方がもしかしたらいいのかな~って帰ってから思った。
相手に好きな人がいるって聞いてからは特にね」
「……」
「辛かったね、蛍」
「うん」
涙をボロボロ流す私に、美沙都はタオルを差し出してくれた。
それを受け取ると涙を吸い込ませる。
「まーそれにしても、その永戸って女ムカつくね!」
「いや、でも」
「私ならそんな女に渡したくないけどね」
「いやいや、私じゃ勝てないよ」
「はあ?もう、蛍は友達としての贔屓目がなくてもいい女だっつうの」
「……美沙都」
「広瀬さんにそんなに好かれるぐらいにね」
「……うん」
「広瀬さんに関しては正解だったと思うよ。
よく伝えたよ、蛍。偉い偉い」
あの時の広瀬の表情とかを思い出すと、ズキズキと胸が痛くなる。