今夜、上司と恋します

それから、自分の机に戻ると私はずっと握り締めていたネックレスをそっと首に回す。


前に美沙都と一緒に買い物した時の、おニューの洋服。
それにこのネックレスはマッチしていた。



それから、就業時間が近付きパラパラと出社する人が増える。
その中にいたのは、広瀬だった。



私を見付けると広瀬はパッと視線を逸らした。
それにチクンと胸が痛むけど、仕方ない。

それだけの事を言ったんだ。私は。



落ち込む方がおかしいんだよ。


少し俯く私の背中に。


「おはよう、坂本」


そうやって広瀬の声が届く。



私はバッと振り向くと、気まずそうに笑う広瀬を真っ直ぐに見つめた。



「……おはよう、広瀬」

「はは。やっぱり名前付き。
……だって、挨拶は許容範囲内だもんな?」

「……うん」



私の顔は自然と微笑んでいた。広瀬も同様。



「んじゃ、今日も仕事頑張れよ」

「そっちもね」

「ん」


簡単に、簡潔に、会話をすると広瀬は自分の机へと向かった。
それから私は佐久間さんが出社するのを待ったけど、中々現れなかった。
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