今夜、上司と恋します
「そうか。それじゃ、店頭に行くのに付いて来い。
営業ついでに市場調査に行く」
「……私、ですか?」
思わず、そう答えると佐久間さんは眉間に皺を寄せた。
「俺とじゃ不満か?」
「え、いやそんな事はないです」
だって、よく永戸さんと行ってたし。
それにあんま私、外に出ないからな。
別に市場調査をしないわけじゃないし、店頭でのチェックもするけど。
私はどちらかと言えば、裏方専門というか。
会社で計算したり、資料作ったりってのが多い。
華やかな仕事をしたいなら、最初からショップスタッフに立候補してるし、私はこれで大いに満足している。
「もう少ししたら出るから用意してくれ」
「はい、わかりました」
私の返事を聞くと、佐久間さんは目の前をすり抜けて会議室から出て行った。
少しだけその後ろ姿を呆けながら見つめていた。