今夜、上司と恋します


「そうか。佐久間さんは厳しいけど、付いていれば学ぶ事も多いだろう。
必ず君の役に立つ筈だ。
それはそうと、佐久間さん。またいい店を仕入れたんだがな…」

「三国社長。それはまた今度にして貰えますか」

「う。そうだな。悪いな、佐久間さん。うちの庄和は厳しくて敵わん」

「はは。それは楽しみですな。是非とも今伺いたいところですが、私まで怒られそうです」

「全く、佐久間さんまで辞めて下さい」



とても饒舌な佐久間さん。
こんな佐久間さん初めて見た。


ニコニコ笑って、愛想良くて、会社にいる時とは比べ物にならない。


新しい一面を見れた事が、何故か嬉しかった。


それからの話し合いは、付いて行くのにいっぱいいっぱいだった。
資料を見ながら、私は必死にメモを取って行く。


佐久間さんは一切メモを取らない。
きっと頭の中に入ってるんだろうな。凄い。


打ち出し商品についてや、納期。
相手からの要望も受け入れつつ、無理なとこはきちんと伝える。


佐久間さんは無駄のない会話を繰り広げていて、私には到底真似出来ないかもって思った。
< 36 / 245 >

この作品をシェア

pagetop