今夜、上司と恋します


「ごめんね、遅くなって。午前中ちょっと式場とか行っててさ。
お腹空いちゃった。何か頼んで来る」

「そうだったんだ。待ってないから平気。行ってらっしゃい」


財布だけ手にして、美沙都は注文しに向かった。
また二人になる私と広瀬。



「めっちゃいい子そうだな、美沙都ちゃん」

「いい子だよ、実際」

「お前に勿体ない」

「うっさいな。ってか、広瀬用事あったんじゃないの?」

「んー。あるよ。もうちょいしたら行くつもりだけど」

「そう」

「何?俺がいなくなるの寂しい?」

「……早く食べてどっか行って下さい」


切実に。


広瀬はクスクスとおかしそうに笑っている。
本当にへらず口叩く奴なんだから。



「いやー暑いね」


戻って来た美沙都はミルクティを持った手とは逆の手で一生懸命顔を仰いでいた。


「そうだね、暑い。カーデ脱ぐか」


寒くなったら嫌だから、薄手のカーデ羽織って来たけどいらなかったかも。
ってぐらい、今日は暑かった。


私がカーデを脱いで肩にかけようとした時。
美沙都は何かに気付いた様だ。



「あれ?蛍、ここ赤い」


そう言いながら、私の肩部分を指差した。

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