今夜、上司と恋します


それから、サバ味噌煮定食が運ばれて来て一口口に入れると、あまりの美味しさに結構大きな声で「美味しい!」と言ってしまった。
すぐに口を噤んだけど、佐久間さんは「だろう?」と言って優しく私を見つめた。


あまりにも優しく微笑むから、慌てて視線を逸らしてしまった。
直視出来なかったからだ。



「ご馳走様です」

「いや」



支払いすると言ったのに、佐久間さんは先に会計を済まして外に出てしまった。
部下に支払いさせられないと言って。


それから、最寄り店舗に立ち寄った私達。
前と同じ様にディスプレイ等を指摘しながら、佐久間さんは売り上げをチェックしている。


また数点指摘すると、佐久間さんと私はその店を後にした。
その道中、見付けたのは可愛い雑貨屋さん。


思わず、足を止めてしまった。



「どうした?」


不思議そうな顔で尋ねて来る佐久間さんにハッとする。



「いえ!ちょっと可愛いなって思って」

「……何が可愛いと思ったんだ?」

「え?その、これです」


花モチーフがついたシンプルなネックレス。
これなら普段でも使えそうだ。
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