今夜、上司と恋します
「そうかー。緋人かー」
「いや、別にタイプってわけじゃ…」
「じゃあ、どんなのがタイプなわけ」
「どんなの…」
私のタイプか。
理想とか、そんなの。
ぶっちゃけもうどうだってよくなってる。
願う事はただ一つだけ。
「一途であれば誰でもいいな」
「なんだ、それ」
色々最低な男に出逢って、経験したけど。
なんだかんだ、浮気される事が一番辛かった。
他に女がいるんだ。
私は捨てられるかもしれない。
でも、言う勇気もない。
段々と迫り来る終わりに、怯えるしかなかった。
そんな経験、二度と味わいたくない。
元彼でそれは本当に思った事だ。
「心変わりしない人っていないと思ってるし」
「いると思うんだけど」
「そうかなあ」
「坂本って勤続何年だ」
「え?勤続?広瀬と同じじゃん」
「いいから。何年」
「えっと、確か六年かな」
「そう、六年」
広瀬はぐいっとビールを流し込むと、ジョッキをだんっと置いた。
それから、私に驚愕の事実を言ったんだ。