今夜、上司と恋します
「俺、片思い歴六年だから」
「……え?それって。入社してからずっと好きだったって事?」
「そうそう」
「嘘。じゃあ、その好きな相手ってのは職場の人間?」
「まあ、そうなるな」
「ええええ。教えてよ!知りたいし!!」
「嫌。無理」
「何それ」
「じゃあ、代わりに教えてくれる?」
枝豆を口に運びながら、広瀬が私に視線を送った。
その瞳は一切笑ってなくて。
ドクンと心臓が跳ねた。
「その、相手。肩にあるキスマークの」
トンっと自分の肩を差しながら、広瀬がそう言った。
「……知ってどうするの」
「気になるから。俺が知りたいだけ」
「広瀬の知らない人だよ」
「そうなの?俺はそう思ってないんだけど」
「……」
最初から広瀬はこれを聞きたくて、今日私を誘ったのかもしれない。