doll
「お誕生日おめでとう。華。」
見上げた空には雲が
可哀想と言う顔で私を見ていた。
すれ違うたくさんの人は
つまらなさそうな目で
口だけは楽しそうに笑ってる。
全部全部私の被害妄想なのかな。
人の本音なんてだれも
聞くことはできない。
足、やっぱり疲れた。
人混みを外れ、腰を下ろした。
そろそろ帰ろうかな……
「ねぇ、大丈夫?」
ビクッ
「わぁお、ビックリしすぎでしょ!」
ケタケタと変な笑い声が耳に響く。
顔を上げると5人の男に囲まれていた。
「は、待って、ちょー可愛いじゃん!」
「うわ、俺一目惚れ〜」
「すっげぇ美人っ!どこの高校?」