ウ・テ・ル・ス
「自分の管理が出来ない人じゃないのにね…。見舞いに行ってこようかしら。」
「あっと、それはやめた方がいいかも。」
「なんで?」
「来なくていいって言ってたし、行っても、いつものように部屋には入れてもらえませんよ。」
「そうかしら…。でも三室くん。今の電話、いったい誰と話してたの?」
「うっ、そりゃあ社長に決まっているでしょう。」
「そう…あなたいつからCEOとタメぐちきけるようになったの?」
三室はたまらず会議室から逃げ出した。
往診に来た医師が一日休めば熱もさがるだろうと言ってくれたので、真奈美もとりあえずひと安心だ。医師は注射を一本打ち、解熱剤の処方箋を書いて、診療所に戻っていった。真奈美は、枕元にミネラルウオーターと水に濡らしたハンドタオルを置いて、時折額に集まる汗を拭きとったりしながら、秋良に付き添っていた。
秋良がかすかにうめいた。真奈美は読んでいた本を閉じて秋良をのぞきこむ。彼は、薄眼をあけて、わずかに口を開いた。真奈美は、ミネラルウオーターのペットボトルにストローを差し込んで、彼の口にあてがう。秋良は、喉を鳴らして水を飲んだ。真奈美が秋良の額と首筋に手をあてたが、彼の熱はまだ下がっていないようだ。しかも、身体全身に汗をかいていて、パジャマも濡れていた。
「おまえ…なにを…やめろ。」
秋良が怯えて、自分のパジャマを脱がし始めた真奈美を制止する。しかし抵抗しようにも、熱のせいで声も弱々しいし、解熱剤が効いていて身体が動かない。真奈美は彼の困惑にも構わず、パジャマを脱がせて、固く絞ったハンドタオルで汗にまみれた彼の身体を拭いた。そして、真奈美の手がブリーフに掛かると、さすがに秋良も、力を振り絞って精一杯の声を出して彼女を脅した。
「おまえ…それ以上やってみろ…殺すぞ。」
「脅しているつもり?どちらかと言うと、懇願にしか聞こえないわよ。しょうがない、武士の情けでタオル掛けてあげるか…。」
真奈美は秋良の腰をタオルで覆うとタオル越しにすべての作業をし終えた。乾いた身体に乾いた下着とパジャマでさっぱりした秋良は、また眠りに落ちた。
「あっと、それはやめた方がいいかも。」
「なんで?」
「来なくていいって言ってたし、行っても、いつものように部屋には入れてもらえませんよ。」
「そうかしら…。でも三室くん。今の電話、いったい誰と話してたの?」
「うっ、そりゃあ社長に決まっているでしょう。」
「そう…あなたいつからCEOとタメぐちきけるようになったの?」
三室はたまらず会議室から逃げ出した。
往診に来た医師が一日休めば熱もさがるだろうと言ってくれたので、真奈美もとりあえずひと安心だ。医師は注射を一本打ち、解熱剤の処方箋を書いて、診療所に戻っていった。真奈美は、枕元にミネラルウオーターと水に濡らしたハンドタオルを置いて、時折額に集まる汗を拭きとったりしながら、秋良に付き添っていた。
秋良がかすかにうめいた。真奈美は読んでいた本を閉じて秋良をのぞきこむ。彼は、薄眼をあけて、わずかに口を開いた。真奈美は、ミネラルウオーターのペットボトルにストローを差し込んで、彼の口にあてがう。秋良は、喉を鳴らして水を飲んだ。真奈美が秋良の額と首筋に手をあてたが、彼の熱はまだ下がっていないようだ。しかも、身体全身に汗をかいていて、パジャマも濡れていた。
「おまえ…なにを…やめろ。」
秋良が怯えて、自分のパジャマを脱がし始めた真奈美を制止する。しかし抵抗しようにも、熱のせいで声も弱々しいし、解熱剤が効いていて身体が動かない。真奈美は彼の困惑にも構わず、パジャマを脱がせて、固く絞ったハンドタオルで汗にまみれた彼の身体を拭いた。そして、真奈美の手がブリーフに掛かると、さすがに秋良も、力を振り絞って精一杯の声を出して彼女を脅した。
「おまえ…それ以上やってみろ…殺すぞ。」
「脅しているつもり?どちらかと言うと、懇願にしか聞こえないわよ。しょうがない、武士の情けでタオル掛けてあげるか…。」
真奈美は秋良の腰をタオルで覆うとタオル越しにすべての作業をし終えた。乾いた身体に乾いた下着とパジャマでさっぱりした秋良は、また眠りに落ちた。