ウ・テ・ル・ス
真奈美はしばらく秋良の寝顔を眺めていた。出会った当初なら、恐れ多くて近づくこともままならなかったが、いまでは息がかかるくらいに近づいても平気だ。真奈美はさらに顔を近づけた。よくよく見ると不思議な顔だ。彫刻のように彫の深い精悍な顔と、長いまつげがゆれる少年のような愛くるしい顔の両方を持ち合わせている。
真奈美は、今まで体験した彼との様々なシーンを想い返してみた。ほとんどケンカしているようなシーンばかりだ。しかし今想えばそれは、残忍と思えるほどクールな秋良が、他の人には見せない人間臭い部分を、真奈美だけに見せていたような気がしている。そう…遥か天空のオリンポス神殿に住んでいたアポロンが、人間の娘を見染めて地上に降りてきたのよね。真奈美は、秋良の顔を眺めながらそんな妄想を楽しんでいた。
真奈美はもっと顔を近づけた。薄い寝息が聞こえてくる。彼の顔の熱が自分の肌に感じられた。わずかに伸びたひげが見受けられたものの、なんてキメの細かい肌をしているのだろうか。考えてみれば、真奈美は男性の顔をこんな間近で見た経験が無い。彼の発する熱とは違う熱が、彼女の顔を火照らせた。
そうよ、まともに男性とキスもしたことがないまま、赤ちゃんを産むなんて悲しすぎるわ。今なら彼も寝ているし、チャンスかもしれない。この悪党にだって責任があるんだから、すこしばかり玩具にしても問題ないわよね。真奈美が誰も居るはずのない寝室を見回して、ふたりだけであること確認する。次に秋良の顔をしばらく見つめて、彼が本当に寝ている事を確認した。なぜか心臓の鼓動が高まる。これ以上眺めていたら、キスする前に気絶しそうだ。真奈美は、ゆっくりと自分の唇を、秋良の唇の上に重ねた。
キスをすると鐘の音が聞こえる。高校時代にそんなことを友達から聞いてはいたが、そんな甘いもんじゃなかった。真奈美の脳下垂体で爆発が起きた。触れるだけのこんな軽いキスなのに、なんでこんな水爆級の爆発が起きるのか…。身体が溶けるを通り越して、蒸発しそうだ。決して長いキスではなかったはずなのだが、触れていた秋良の唇がわずかに動いた。
「これ以上…俺の熱を上げてどうするんだ…今はキスよりも…水をくれ…。」
真奈美は、今まで体験した彼との様々なシーンを想い返してみた。ほとんどケンカしているようなシーンばかりだ。しかし今想えばそれは、残忍と思えるほどクールな秋良が、他の人には見せない人間臭い部分を、真奈美だけに見せていたような気がしている。そう…遥か天空のオリンポス神殿に住んでいたアポロンが、人間の娘を見染めて地上に降りてきたのよね。真奈美は、秋良の顔を眺めながらそんな妄想を楽しんでいた。
真奈美はもっと顔を近づけた。薄い寝息が聞こえてくる。彼の顔の熱が自分の肌に感じられた。わずかに伸びたひげが見受けられたものの、なんてキメの細かい肌をしているのだろうか。考えてみれば、真奈美は男性の顔をこんな間近で見た経験が無い。彼の発する熱とは違う熱が、彼女の顔を火照らせた。
そうよ、まともに男性とキスもしたことがないまま、赤ちゃんを産むなんて悲しすぎるわ。今なら彼も寝ているし、チャンスかもしれない。この悪党にだって責任があるんだから、すこしばかり玩具にしても問題ないわよね。真奈美が誰も居るはずのない寝室を見回して、ふたりだけであること確認する。次に秋良の顔をしばらく見つめて、彼が本当に寝ている事を確認した。なぜか心臓の鼓動が高まる。これ以上眺めていたら、キスする前に気絶しそうだ。真奈美は、ゆっくりと自分の唇を、秋良の唇の上に重ねた。
キスをすると鐘の音が聞こえる。高校時代にそんなことを友達から聞いてはいたが、そんな甘いもんじゃなかった。真奈美の脳下垂体で爆発が起きた。触れるだけのこんな軽いキスなのに、なんでこんな水爆級の爆発が起きるのか…。身体が溶けるを通り越して、蒸発しそうだ。決して長いキスではなかったはずなのだが、触れていた秋良の唇がわずかに動いた。
「これ以上…俺の熱を上げてどうするんだ…今はキスよりも…水をくれ…。」