黒王子は不器用な騎士様!?



こ、今週の日曜?


「な、何でそんなこと――」

『空いてるのか、空いてねーのか、どっちだっつってんだよ。』


私の疑問に答える気はサラサラないらしい。

今週の日曜に何があるのかは何も言わず、ただただ私の今週の日曜の予定を聞いてくる黒王子に、たじろぐ私。

確か、今週の日曜って第二日曜日――だった、よね?

ウチの道場は基本日曜日も開放しているんだけど、第二日曜だけは閉鎖している。だから、予定は何もないはず。


「あ、空いてますけど…?」

『じゃあ、俺に付き合え。』


――はい?

何でそうなるの?

黒王子からの突然のお誘い。驚かないほうがおかしいと思う。

だって……何で、私が?


「付き合えって、何にですか?」

『――薔薇園。』


……はぁ?

ボソッと、近くにいる私でも聞こえるか聞こえないかの小さな声で、黒王子は私から目を逸らしてそう言った。

薔薇園って……あの刺々しい花弁を持っている…あの薔薇が咲き誇っている観光スポット…?

――…一体なぜ、そんなところに。


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