臆病な私でも恋はできるのか。




が、問題はこれからだった。



「沙織ちゃん、出た?」



「…はい」



返事をすると、扉からひょっこりと彰人くんが顔を出した。



「ん、何かおかしくない?」



おかしい…?



「あ、ボタン掛け違えてるよ」



どうしてこう眠いときにボタンのある寝巻きにしてしまったのか。



何度か掛け直すのだけど、これがなかなか上手くいかない。
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