死神のお仕事
そ、そんな事になっていたなんて!そうなると私、監禁問題に発展する前にあっさりサインしたなんて、あまりにも楽過ぎてキリヤさんもあんな笑い方にもなってしまうかもしれない…それくらい、私の行いは軽率で配慮の足りない行動だったという事だ。とんでもない事をしていた。
「戻るって事は、絶対に交換しないと帰れないって事だ。行かなくても交換されるけど、どんな魂か確認出来ないし、何が起こるか分からない」
「……」
「行くべきなら行く。でも、あいつがどう出るか不明な分不安は残る。俺は本当はもうあそこへ行く気は無かった。おまえをここから出す気も無かった。目を離して後悔した分、絶対出さないつもりでいたけど、おまえが戻るべきだって言うならそれに付き合う」
「……」
「俺は覚悟を決めた。おまえは?」
暗い瞳がジッと私を見詰める。私の目を通して、心の奥底まで見据えるような強さで覚悟を問うてくる。
俺は覚悟を決めた。おまえは?