死神のお仕事


「覚悟は決めてます。行くしかありません。だって、」

「生きるとは、前を向く事」

「!」

「前に進むには、しっかり向き合うべきだよな」

「…はい!」


仕方ないと、サエキさんはそっと微笑んだ。その笑顔はどこか嬉しそうで、なんだか私も力が漲ってきた。やっとサエキさんもと同じ方向を向けた事、それがこんなにも心強いなんて。



やるしかない。
生きる事は、前を向く事。

人間だろうと死神だろうと、それが私だ。


私の生き方だ。



< 254 / 265 >

この作品をシェア

pagetop