死神のお仕事


『まぁ一応そういう所は死神といえど神だ』


なるほど。すごい…羨ましい。


『でも神全般がそうかは知らねぇけど、死神の中でもそうそう人間生活の方まで足を延ばす奴なんかいねぇよ』

『でもサエキさんはマンションなんて住んでるんですね』

『あぁ、俺は一応特別な立場にあるからな。仕方無しにだよ、仕方無しに』


その後、特別な立場については教えてくれなかったものの(どうやら面倒くさいらしい)だから私の生活も衣食住ちゃんと保証してやれると言われて、なんならさっさとあのボロアパート出てここに来るか?なんていう提案までされてすごく驚いた。

あの時は素直に驚いただけで気付かなかったけど…今なら分かる。それが夜通し残業コースへの入り口なんだって事が。

私はいくらボロでもあのアパートで暮らそうと固く決意した。


「…よし。まずこのリストが完成っと」


そしてそんな私が今せっせと作ってるリストは、地域ごとに分けられた不足の魂のリストだ。

集めてきた魂をデータにして集計する事で元ある一覧と一致させて、該当するものがない、つまりまだ回収されてない不足している魂がありますよ、のリストを作っているのだけれど…これがまた量が多いのなんのって。

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