死神のお仕事


大体は機械が勝手にパパパッと弾きだしてくれてそれを拾うだけなんだけど、世の中の魂なんていう日々生まれてくるもの相手だから元から量は多い。

でもそこに更に、元々仕事が多いせいもあるけどここの所特に忙しかったから、という理由でこの作業を放置する、なんていう悪行が加わった。勿論、犯人はサエキさんだ。サエキさんしかいない。

そんな危機的状況にある犯人の前にひょっこり現れた私…だから今、まだまだ新米の私も率先してリストアップに励んでいる、という事なのだ。しかも結構シビアな期限を設けられて、無我夢中に我武者羅に。

…でも、人間のする仕事みたいにパソコン作業だとは思わなかったな。ましてやデータ管理されてるなんて。一応神、なんて言ってたけど随分親しみ易い環境だなと思う。課題やら小論文やらでパソコンは使い慣れてるし、とりあえずなんとかなりそうな感じではある。


「これのリストって、作ってどうなるんですか?」


それはひと段落ついた頃合い。サエキさんの休憩しようという提案にのって奥のパソコンから離れ、以前私が寝かされていたソファのあるリビングの方へと移動した時にふと尋ねてみた。


「どうなるって、そのまま業務指示として他の死神に渡るな。おまえんとこはこんだけ残ってんぞってさ」

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