ハンパイヤ×暴走族 2
あの優しい瞳は___
優は走った。
ティナの為に…。
走る姿も繊細で美しく感じるのは何故だろう。
…そんな優を見た優を知っている通りすがりの生徒は、何事かと目を丸くした。
優はそんな事も気にしないで走る。
…ティナの求める人達の所に…。
ガラッ!!
その場は屋上だった。
「りゅっ…龍会の皆さん!!!」
おっとりした優が、鬼気迫った表情をしていたので、龍会の皆はぽかんとしていた。
「ティナさんを…っどうか!!」
「どこだ!」
目を鋭くした曉が優に責め立てる。
「体育館の……っ暗倉庫です」
優の頬が素早く通る風を感じた。
曉と千秋が見当たらない。
「…早い。」と、思いながら優は肩を上下させつつ息がつっかえる胸を押さえる。
和がヨシヨシと背中をさする。
「よくやったねぇー、ご苦労様」
「俺らに任せろよ!!」
「頑張ったな!」
「和さん…だ…大助さん…棗…さん。」
ワシャワシャと柔らかい髪を撫でられしっちゃかめっちゃかにされる優。
じわりじわりと目尻に涙が浮かぶ。
良かった…。
…本当に…。
それと同時に、気になることを聞いてみようと思った。