メニューとあの人
『fool』について中に入ったら、あの席にミヤがいた。
久し振りに、見たあの姿に涙が出そうになった。

「ミヤ・・・」

私は後ろからミヤに呼び掛けた。
ミヤは振り向いて・・・

「サクノ・・・、フッ。
座ったら?」

(ねぇミヤ、そんな顔をいつからしてるの?)

いつもの優しくて綺麗な顔が憂えていた。

私は大人しく隣に座った。

「なに飲む?ごめんね、先に飲んでたよ。」

(なんで?!謝るの?)

言いたくても今の私に言えることができなかった。

「うん。大丈夫だよ、ミヤ・・・雅に任せるよ。」

今更、私がミヤと呼び掛けることができない

でも、私が雅と呼び掛けたそのことにミヤはとても・・・

傷ついていたように見えた。

(!、ミヤ・・・)

「!・・・そうだね。わかったよ
適当に注文しておくね。」


ミヤが注文したのがわたしの前に置かれた。

前とは違った、薄いピンク色で底がキラキラしてた。
飲んでみたら、甘酸っぱいようでいてほんのり酸味がした。

「美味しい!何を頼んだの?」

「オリジナルだよ。」

あまりの美味しさに今日来たことを忘れかけてた。
きまずい空気が一面に流れた。

少しして、

「サクノ・・・ごめんね。
貴方にとっては私は・・・俺は良い友達の方が良かったよね。でも、俺は・・・ずっと前から
でも、この気持ちがサクノを苦しめるならもう、貴方にはもう近づかないから。」

「!・・なんで?!なんでさっきから決めてるの!
私まだなにもいってないよ。」

私は泣きたくなった。
最初から決めているミヤに、
わたしの声が届かないミヤに

「私、・・・ずっとミヤに助けてもらってた。
一人だった私にいつも優しくしてくれて、笑いかけてくれて、

なのに!ミヤは、どうしてわたしの声をきかないの?」

少し涙が零れてきた。

「サクノ・・・、泣かないで。
私は泣いてほしかった訳じゃないわ。」

「だって!ミヤちゃんとわたしの話聞かないじゃない!」

「ごめん。サクノ・・・ちゃんと聞くから、泣かないで。


ミヤは私の頭を撫でてくれた。

「ミヤ、私・・・ミヤのこと好きよ。
初めはわかんなかったけど、ミヤといてすっごく幸せで・・・この前はただ・・・・・・びっくりしてよくわからなかったけど、私は!私は・・」

唇にそっとミヤの指がのせられた。

「うん。俺もねサクノのことが好きだから
だから、俺だけをみてもらいたくて女性のように振る舞って男は俺だけをみれば良いって思ってた。
サクノはいつもしょうがないねって顔をしながら、俺のそばにいてくれたから我慢してたのが限界がきちゃったみたい。本当にごめんね。」

限界?

「我慢してたの?
女装って、趣味じゃなかったの?」

ミヤはちょっと、ガックとしながら首をすくめてた。

「あのね、ずっと我慢してたよ。
趣味って、なに?」

「あのね、いっとくけど、俺すっごく独占欲強いから。
サクノが他の人といるとそれだけで腹立つし、この前サクノが俺のことミヤじゃなくて雅って呼ぶし
平気で俺のこと信用するし、俺はなんだろうって思うよ。」

「えっ、だってあんな雰囲気でミヤとかよべないよ。」

「呼んで!あの呼び方サクノしか許してないし、二度と他の名で呼んだらどうなるか・・・わかってるんたろうな。クス、サクノが溶けるようなキスしてずっとベットから起きられないようにしてあげるよ。」

///////!

「ミヤ~こわい!なんか、顔こわいよ。」

「あらだって、サクノ。私のこと好きなんでしょう。クス
だったら、私ももう遠慮しなくてよいわけよね?」

「遠慮して~
ミヤ、さっきまで落ち込んでたのどこいったの?」

怖いよ・・・。
すっきりとした笑顔が・・・。
でも、

「ねぇ、サクノ。私、あなたのこと好きよ。
だから、他の人をみちゃだめよ。」
と、ミヤが私の唇にキスをした。
ほんのちょっとの触れ合いだけど、でも私はもういいやって思った。

「///。ねぇ、ミヤずっとこれからも一緒にいてよ。
怖いのはいや、ミヤがいなくなるのも嫌よ。」

「クス、怖いのはわからないわね~。」

「なんで?」

妖しい微笑みが似合ってますよ・・・

「だってぇーサクノに触れたいですもん。
ねぇ、明日休みよね?このまま行きましょう。」

なっ!

「明日休みだけど・・・どこいくのよ?」

「どこって?
決まってるんじゃない。私のうちよ。」

(決まってるんですか!)

「ミヤの家って///」

「それとも、嫌なわけ?
俺といたくないの?」

なんか、不機嫌になりました。

「もう、ミヤ~。行くよ。
私だってミヤといたいもん。ミヤ大好きよ。」

「あら、私だって好きよ。もう×××しちゃいたいくらいよ。」

なっ・・・

「こんなとこで、そんなこといわないで!
ミヤのバカ!」

私が照れて怒ってるとミヤは後ろからそっと私を抱きしめて

「サクノ・・・俺はどこにもいかないから。
だから、サクノも置いていくなよ。ずっといよう。」

本当にミヤには頭が上がらない。

私達はそっとキスをした。


※このあと私がミヤの部屋に行ったのかは内緒。
でも、たぶん。私は負けてるんだろうな。
惚れたら負けってことよね。クスリ
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