俺様常務の甘い策略
悔しくて唇を噛み締めれば、藤堂の手が伸びてきて私の唇にそっと触れた。

「それ以上噛んだら血が出るよ。口寂しいなら、キスでもしようか?秋月の唇って柔らかくて好きなんだよね」

藤堂に触れられて、私は固まった。

柔らかくて好きって……。何度もキスしたような言い回しじゃない‼

でも……一夜を一緒に過ごしたのならそんなの当たり前か。

全然記憶ないんですけど……ほんとに私……やらかしちゃったの?

「何ボーッとしてるの?俺の唇の感触忘れちゃった?なら、思い出させてあげるよ、沙羅」

沙羅……?

その呼び方……その声……何となく覚えてる。

その事にショックを受けていると、「結構です」と言う間も与えずに藤堂が私に口付けた。

ふわりとしたその感触に、私はさらに衝撃を受ける。

……この感触も……覚えてるんですけど……。

ああ~、まだ夢の続きであって欲しい。
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