俺様常務の甘い策略
甘いものがあんなに好きなのに可哀想。

田崎前常務の事件に関係なく、社長はすでに病気の事を感づいていて早く颯介に社長の椅子を譲りたかったもかもしれない。

「私が会長になったら」なんて冗談を前に話してたし……。

これからはちょっと優しくしてあげようかな。

それから慌ただしく仕事をしていると、あっという間に夕方になり、私のデスクの上の内線が鳴った。

かけてきたのは颯介。

「はい、秋月です」

『プレゼンが終わったら、これから浴衣に着替えるよ。応接室の片付けは受付に頼んでおいたから、沙羅も浴衣に着替えて』

「は?私は浴衣なんて用意してないけど……。それに勝手に参加するなんて言って……」

『ジョージにちゃんと紹介したかったんだよ。浴衣は田中さんに預けたから。着替えたら、正面玄関に来て』

颯介がブチッと電話を切る。

あいつ……何考えてるの!

受話器をじっと睨み付けていると、誰かに背後から肩をトンと叩かれた。

「これ、秋月さんのです」

振り返ると、百合の柄の紺色の浴衣を着た田中さんが浴衣を持って立っていた。
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