俺様常務の甘い策略
それにしても……紺色の浴衣を着た颯介は、客観的に見ても格好良い。普段見慣れないだけに、颯介の姿に引かれて自然と目がいってしまう。

ハンサムな男って生きてるだけで罪だよね。

自分の魅力を自覚してる颯介は余計質が悪い。

私を見つめてくるあいつの視線にドキッとする。

それからスコット氏と颯介は社用車に、ジェイクとアダムス石油の他の幹部、専務と渡辺課長と私達はそれぞれタクシーに乗り込み、屋形船の乗り場まで向かう。

社長は会食は欠席して病院に戻った。心なしか、社長の後ろ姿が寂しそうだった。

屋形船の中に入ると、テーブルの上にはすでに料理が用意されていた。

お寿司に、天ぷらに、ローストビーフや唐揚げなどのちょっとしたオードブル。

美味しい冷酒もあってスコット氏はご機嫌だ。

畳の船に座るというのは初めてらしい。

私がスコット氏の隣に座ると、「私の事はジョージでいいよ」と話しかけてきた。

凄く偉い人なのに気さくな人だ。

「それで、颯介とは高校から大学まで一緒だったんだって?」

「ええ。彼は学生の時から優秀で、正直何でも出来て狡い奴って思ってましたよ」

「それは私も同感だ。たまに颯介になりたいと思うよ。若いし、有能だし、男から見てもいい男だからね。それより……」

ジョージが私の左手に目をやる。
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